文殊と普賢は日本を支える菩薩である

受験シーズンまっただ中。受験生は必死の思いで日々を過ごしていることだろう。
そんな受験生が、今まさに頼りたいのが普賢菩薩。智慧の仏さまだ。

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大阪の堺に受験で有名なお寺がある

大阪の堺には行基菩薩生誕の地、家原寺がある。ここは文殊菩薩が御本尊で毎年、受験シーズンになると、たくさんの受験生が合格祈願にやってくる。寺の本堂は合格祈願が書かれた白い布で覆われる。季節のひとつの風物詩にもなっている。

家原寺
堺市にある家原寺。御本尊は文殊菩薩。
家原寺,文殊菩薩
受験生たちの合格祈願のハンカチが本堂を埋め尽くす。

菩薩様は仏でなく、修行の身である

菩薩というのは正確に言えば、仏ではない。仏になるために修行中の身だ。もしくは、敢えて仏にならずに、この現象世界に身を置き、人々を救うのが菩薩の役割。

3人寄れば文殊の知恵とは

そう言えば[3人寄れば文殊の智慧]という諺があるが、3人の天才が寄っても文殊様には叶わない。お釈迦様の弟子の中でも一番の智慧者がこの文殊様。お釈迦様の十代弟子で智慧第一は舎利弗(しゃりほつ)尊者だがお釈迦様よりも先に亡くなっているので、その後はこの文殊様が引き継いだと想定できる。

文殊菩薩の有名な逸話

文殊菩薩の逸話は『維摩経(ゆいまきょう)』という経典にその智慧に関するエピソードが残されている。お釈迦様の在家の弟子で維摩居士という方がいた。彼は大乗仏教に精通していて、阿羅漢でも論破されることがあるほどの議論の達人。維摩居士が病気に罹り、お釈迦様が見舞いに行くように弟子たちに伝えたが、誰も行きたがらない。何せ議論でタジタジにされた経験がどの弟子にもあったからだ。そこで名乗り出たのが文殊菩薩。維摩居士の元に見舞いに訪れた文殊菩薩は、やはり議論になり両者対等に渡り合ったらしい。しかし、病気なら安静にしてろよ、と思うよね。

この時の問答が有名なので記載だけしておく。
文殊様が仏道はどのようにすれば極まるか、と維摩居士に聞いた。
維摩居士はこのように答えた。
「非道又は、三毒(貪欲・瞋恚・愚痴から発する仏道に背くこと)を行ぜよ」と。
非道・三毒を行じながら、それに捉われなければ仏道を成就できる、というのが真意らしい。
執着を除くひとつの方法ではあると思うが、修行者の観点から見ると、まだその奥があるのだろう。

阿羅漢を議論で負かせる維摩居士と対等か、それ以上の智慧を持つ文殊様。いつも獅子の上に乗っていらっしゃいます。猛獣の獅子さえも、その優れた智慧で飼い慣らされている。
受験生はこの智慧に是非ともあやかりたいと思うのが人情だろう。

さて、この文殊菩薩は、ついになって釈迦如来の脇侍で見ることが多い。そのついの、もうお一方は普賢菩薩。普賢様は慈悲の菩薩で、その大きく深い情により人々を佛の世界に導く。この普賢菩薩はいつも白い象の上にいらっしゃいます。象も時には獰猛になる。でも普賢様の愛情によって飼い慣らされている。

文殊様と普賢様は、あの名前に使われている

この文殊と普賢は、日本の原子力発電所の名前に使われている。
なかなか粋な名前を付けたものだ。この二人の菩薩様の力にあやかって、原子力という猛獣を暴れないようにつけたのだろう。仏教は科学でもある。その深い教えは科学をも凌駕する。その願いが二人の菩薩様に届いていることを願いつつ、受験生にエールを送る。桜咲け!!!

受験生にガンバレ

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この記事を書いた人

オフィス スルースカイ 代表|広告制作、WEB制作、コピーライター|フリーランス歴20年|ブログではITにまつわる情報を発信|時々、趣味の仏教をわかりやすく解説します|プログラミングや動画編集のスキルもあり|SEO上段者へ邁進中|

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