いま、日本は成熟期を経て、落陽期を迎え、夜の世界に突入しようとしている。その夜は星空が美しい穏やかな夜なのか、それとも明るみがまったくない恐ろしいほどの暗闇なのか。いずれかはまったくわからない。どちらの可能性もあるだろう。しかし、しばらくは国力を失い、世界を先導していく国でなくなるのは間違いないように思える。
いまの若い人たちは日本にあきらめを感じ、故郷から出て、海外へと移住する傾向が強いようだ。もし、自分がいま若者だったら、彼らと同じ選択をするかもしれない。でも、長らくこの国で暮らし、祖先が守ってきた土地に愛着がある身としては、それは出来ない。この国で骨を埋めたい。だだ、そんな思いが脳裏から離れない。多くの昭和世代は同じ思いではないだろうか。
2020年1月、これはひとつの日本の可能性かもしれない、と思える記事を見つけた。それは【NTTが次世代通信を大阪万博で披露「絶対にぶつからない自動運転」も】という産経新聞の見出しだ。
G5の夜明け前。米中の覇権争いの真っ直中のウラで
いま、G5という新世代のネットワークシステムが構築され、世界に張り巡らされようとしている。アメリカと中国はこの利権を巡り、丁々発止の状態だ。まもなく決着は付くだろうが、中国は確かにしたたかだが、トランプ大統領は是が非でも、ポジションを取ってくるだろう。もし今、民主党政権、とくにオバマ大統領のような政権だったら、アメリカは危なかったかもしれない。強行保守の大統領であることは、アメリカという国の運だろう。ぼくはトランプ大統領は世間の評価とは違う目でみている。彼は非常に繊細さと大胆さのバランスに優れた差配をする人物ではないか、とう見方だ。
要らないことを書いた。大統領のことは、まあいい。人それぞれの評価もあるだろう。
それよりも、産経新聞で紹介されたこの記事だ。
NTTが開発した革新的な光無線通信はG6になる可能性がある
NTTグループが2019年4月、世界で初めて光子で情報を伝達できる半導体の基盤技術開発に成功し、実用化にめどをつけた。そのネットワークの名前はIOWN(アイオン)と言う。「Innovative Optical and Wireless Network(革新的光無線ネットワーク)」の略。IT業界の方なら、とっくの昔にご存じだろう。国際フォーラムなどでも発表されているようだ。
超高速、低消費電力で、情報処理スピードの次元が変わる
何がすごいか、ということだ。すべての面におてい革新的なのだが、まず、このネットワーク通信は光信号のまま送ることができる。電気通信に変換する必要がないので、超高速な上に低消費電力。情報処理のスピードが格段に変わってくる。
現在使われているインターネットだと、高速で送ることは可能だが、送られた情報が端末、つまりはサーバーやPC、スマートフォンなどに辿り着いた時点で、光通信を電気信号に変換する必要がある。ここにエネルギーと時間のロスを費やすことになる。
しかし、このIOWN(アイオン)は送られた光通信が、ダイレクトに伝わり、そのまま情報として端末に受け入れられる。そこにはエネルギーもロスタイムも存在しない。だから、大量のデータを高速で送ることが可能になるわけだ。
例えば、自動操縦の自動車を遠隔で複数台、事故させることなく自在にコントロールすることが現実的になる。これは現在のネットワークでは不可能だ。
また、医学に関しては、デジタル仮想空間に個々の人体コピーを作り出し、それを疑似的に加齢させ、将来的な病気の発生の予測に役立てることができるらしい。
そして、このネットワークのスピードだが、分かりやすく例えると次世代ネットワークである5Gの50,000倍のスピード。毎秒1ペタ(ペタは1千兆)ビットの高速通信が可能というから驚きだ。2時間の映画10,000本分のデータをたった1秒でダウンロード出来る早さ。1秒でダウンロードされた映画を人間は一生かけても見られないかもしれない。。。それぐらい凄い。
アイオンは技術の日本の復活の一役になる
2019年秋にはソニーとインテルが普及に向けた国際組織の立ち上げを発表したから、これは現実化はあり得るかもしれない。2030年の実用化を目指しているとの報道だが、これを日本企業が先導すれば、かならずこの国の復活の起爆剤となるはず。これは是が非でも実現させてもらいたい。10年後の日本経済が明るいことを信じてやまない。日はまた昇る、必ず。