「AIでホームページって、もう自分で作れるんですよね?」
ここ1年、打ち合わせのたびに聞かれるようになりました。結論から書きます。2026年8月現在、AIツールで「見た目が整ったホームページ」は、ほぼ誰でも作れます。ただし「問い合わせが来るホームページ」は、AIツールだけでは作れません。
多くの方がつまずくのは、この2つを同じものだと思っているからです。
この記事を書いた人
- Office ThroughSky 代表/2004年創業、Web・広告・コンテンツ制作
- 印刷物が主流だった時代からWeb、動画、AI活用まで20年以上この仕事の変化を現場で見てきました
- 本業はコピーライター
AIで作れる範囲と、作れない範囲
| 工程 | AIツールだけで | 実質的な担い手 |
|---|---|---|
| デザインの見た目づくり | ◎ ほぼ完結する | AI |
| 文章の下書き | ◎ 十分使える | AI |
| ページの組み立て・公開 | ◎ 数時間で可能 | AI |
| スマホ対応 | ◯ 自動で対応する | AI |
| 誰に何を売るかの設計 | ✕ できない | 人 |
| 問い合わせまでの導線設計 | △ 形はできるが機能しない | 人 |
| 競合と比べた差別化 | ✕ できない | 人 |
| 公開後の改善 | ✕ できない | 人 |
| 写真・実績・お客様の声 | ✕ できない | あなた自身 |
見ていただくとわかるとおり、AIが得意なのは「作る」工程、人が必要なのは「決める」工程です。
ホームページで成果が出ない原因のほとんどは、作りの粗さではなく、決めるべきことを決めていないことにあります。だからAIツールを使っても、そこは埋まりません。
AIツールが越えられない3つの壁
壁1:AIは「あなたの商売」を知らない
AIが作るのは世の中の平均的なホームページです。これはツールの性能ではなく、原理的な限界です。
たとえば「大阪の税理士事務所のサイトを作って」と指示すれば、AIは大阪の税理士事務所の平均像を出力します。ところが実際の商売では、
- 相続に強いのか、創業融資に強いのか
- 顧問料が高いのか安いのか、なぜそうなのか
- 前の税理士に不満があって乗り換えを考えている人に、何と言うのか
この差こそが、依頼するかどうかの分かれ目です。そしてこれは、あなたの頭の中にしかない情報です。AIには引き出せません。
逆に言えば、ここが自分ではっきりしている人は、AIツールで十分なサイトが作れます。
壁2:AIは「導線」を作っているように見えて、作っていない
AIが生成したサイトには、ちゃんと「お問い合わせ」ボタンが付いています。見た目には導線があります。
しかし導線設計とは、ボタンを置くことではありません。訪問者がどんな不安を持って来て、どの順番でそれが解けて、どのタイミングなら行動する気になるかを組み立てることです。
たとえば高額なサービスなら、いきなり「お問い合わせ」は重すぎます。「まず資料を見たい」という段を挟まないと人は動きません。逆に緊急性の高いサービス(水漏れ修理など)なら、余計な段を挟むほど逃げられます。
この判断は、その業種で実際に問い合わせが来る/来ないを見てきた経験からしか出てきません。AIは統計的にありそうな配置を再現するだけです。
壁3:公開してからが本番なのに、AIは公開までしか付き合わない
これが一番大きい壁です。ホームページは、公開した瞬間が最低点です。そこから、
- どのページで離脱しているか
- どんな検索語で来ているか
- 問い合わせフォームのどこで手が止まっているか
を見て直していく。この繰り返しでしか、成果は上がりません。20年やってきて、この点だけは何も変わっていません。
AIツールは「作る」までは劇的に速くしてくれましたが、「直す」工程は1ミリも代行してくれません。そして成果の大半は、この工程から生まれます。
2026年、AIで作ったサイトは検索に強いのか
よく聞かれるので、はっきり書きます。AIで作ったこと自体は、検索順位にマイナスではありません。Googleは「どう作ったか」ではなく「誰の役に立つか」で評価します。
問題は別のところにあります。AIツールで作ったサイトは、AIが要約できる内容しか載っていないことが多いという点です。
2026年3月時点で、AI Overviews(検索結果の上に出るAIの要約)は検索クエリの約48%に表示され、表示されたときのゼロクリック率は83%にのぼるという調査があります。つまり一般論を書いたページは、AIに要約されて、誰にもクリックされません。
生き残るのは、AIが持っていない情報を持つページだけです。
- 実際の施工写真
- 具体的な金額と、その内訳
- お客様の実名の声
- 失敗した事例と、その原因
- あなた自身の経験と判断
AIツールは、これらを1つも用意してくれません。用意できるのはあなただけです。ここが2026年のホームページ制作の本質だと考えています。ツールが何であれ、中身を持っている人が勝ちます。
あなたはどちらを選ぶべきか
AIツールで作って問題ない人
次のすべてに当てはまるなら、外注する必要はありません。
- ホームページは「名刺代わり」でよく、集客は別の手段(紹介・SNS・既存客)で足りている
- 誰に何を売るのかが、自分の中ではっきり言語化できている
- 掲載する写真・実績・文章のもとが、すでに手元にある
- 公開後に自分で直していく時間と気持ちがある
- 予算を月1万円以内に抑えたい
このタイプの方には、私も「まずご自分で作ってみてください」とお伝えしています。作ってみると、何が足りないかが自分でわかります。それが一番の近道です。
プロに頼んだほうが結果的に安く済む人
ひとつでも当てはまるなら、外注を検討したほうが良いと思います。
- ホームページから問い合わせや売上を発生させたい
- 競合が多い業種で、選ばれる理由を整理できていない
- 自分の強みを言葉にするのが苦手(多くの人がそうです)
- 制作にかける時間を、本業に使ったほうが儲かる
- 過去に一度ホームページを作ったが、成果が出なかった
特に最後の項目は重要です。一度失敗している場合、原因はデザインではなく設計にあります。ツールを変えても、同じ結果になります。
実費はいくらか
自分で作る場合
| 方法 | 費用 | 特徴 |
|---|---|---|
| AIホームページ(ロリポップ) | 月660円〜 | AIの質問に答えるだけ。最短10分。10日間無料(クレカ不要) |
| WordPress(ロリポップ) | 月330円〜 | 自由度が高い。あとから拡張・移行しやすい |
| ドメイン | 年1,000〜4,000円 | .comで1,500円前後 |
| WordPressテーマ | 0〜17,600円 | 無料でも可。SWELLなら17,600円の買い切り |
AIで手早く作るなら年間8,000円程度、WordPressで作るなら年間4,000円+テーマ代。いずれにせよ、年間1万円前後で始められます。
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選ぶ前に必ず確認してください。AIサイトビルダーの多くは、あとからWordPressなどへ移せません。数年運用して「やっぱり本格的にやりたい」となったとき、ゼロから作り直しになります。将来外注する可能性が少しでもあるなら、WordPressを選んでおくのが安全です。
プロに頼む場合
| 依頼先・規模 | 費用 |
|---|---|
| フリーランス・小規模サイト | 30〜50万円 |
| 制作会社・小規模 | 30〜80万円 |
| 制作会社・中規模 | 80〜200万円 |
| 月額サブスク型 | 月1〜3万円(初期費用低め) |
金額に幅があるのは、原稿を誰が書くか、写真を誰が撮るか、公開後の改善をどこまで含むかで総額が大きく変わるためです。見積もりを比べるときは、金額そのものよりこの3点が含まれているかを確認してください。ここが抜けている見積もりは、必ずあとで追加費用になります。
よくある質問
Q. AIで作ったあと、プロに直してもらえますか?
ツールによります。WordPressで作ってあれば問題なく引き継げます。一方、クローズドなAIサイトビルダーは、他社が手を入れられない、あるいはデータを取り出せないことがあります。
Q. AIが書いた文章をそのまま載せても大丈夫ですか?
法的には問題ありませんが、成果は出にくいです。理由は前述のとおりで、AIが書ける文章はAIが要約できる文章だからです。下書きにAIを使い、自分の言葉と具体例で書き換えるのがおすすめです。この使い方なら、制作時間は本当に半分以下になります。
Q. 結局、AIツールは使わないほうがいいのですか?
逆です。私自身、実務で毎日使っています。デザイン案の量産、原稿の下書き、コードの生成では圧倒的に速い。「AIか、プロか」ではなく「AIを使うプロか、使わないプロか」の話になっています。
Q. 今あるホームページを作り直すべきか判断できません
判断基準はひとつです。「そのサイトから、過去1年で問い合わせが来たか」。来ていないなら、デザインが古いかどうかに関係なく、設計から見直したほうがいいと思います。
まとめ
- AIツールで「見た目が整ったサイト」は誰でも作れる。これは事実で、もう戻りません
- AIが作れないのは「決める」工程。誰に何を売るか、どう選ばれるか、どう改善するか
- 2026年の検索では、AIが要約できない一次情報だけが残る
- 集客が目的でないなら、自分で作って問題ない。年間1万円前後で足りる
- 問い合わせを増やしたいなら、設計に人が必要。一度失敗している場合は特に
- AIサイトビルダーはあとから移行できないことがある。将来外注の可能性があるならWordPressを
ホームページは、作った時点では何の価値もありません。そこに載せる中身と、そこから始まる改善に価値があります。20年やってきて、確信していることです。
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※ 本記事は2026年8月14日時点の情報をもとに作成しています。各サービスの料金は変更される場合があるため、契約前に公式サイトでご確認ください。一部にアフィリエイトリンクを含みます。

